転職で前職の年収を盛るとバレる?正直に伝えて年収を上げる交渉術【元CA・現役人事が解説】

年収交渉で前職給与を盛るのは危険
さやか

この記事を書いた人:さやか 元キャリアアドバイザー・現職人事

飲食チェーンの店長を4年経験したのち、人材会社でキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーとして3年間、転職者と企業採用の両面を担当。現在は人事として新卒・中途採用に携わる。※画像はイメージです

📌 この記事でわかること

  • 現職年収を嘘つくとなぜバレるのか(実例あり)
  • 年収を偽ることの3つの具体的リスク
  • 正直に伝えながら希望年収を上げる交渉術

結論:現職年収は正直に伝え、希望年収で戦うのが正解です。

キャリアアドバイザー(CA)として転職支援をし、現在は人事として採用に関わっている私が、最初にはっきり言い切ります。「現職の年収を盛る」のは、得られるメリットに対してリスクが大きすぎる悪手です。この記事では、年収を偽るとどうなるのかを具体的に説明しながら、「正直に伝えたうえで、それでも年収を上げる」ための具体的な交渉技術を解説します。

検索してこの記事にたどり着いたあなたは、おそらく「現職年収が低いから盛りたい」「でもバレたら怖い」と悩んでいるはずです。安心してください。正直に伝えながら年収を上げる方法は、確実に存在します。

年収を盛るとどうなるか:よくある流れ

よくあるのが、「低く見られたくない」という理由で、現職の年収を実際より高く申告してしまうケースです。面接が順調に進み、高い年収で内定が出ても、それで終わりではありません。

ところが、現職に退職の意思を伝えた翌日、企業の人事部から連絡が入ります。

「源泉徴収票の提出をお願いしたところ、申告年収と110万円の乖離が確認されました。内定は取り消しとなります」

虚偽が発覚すれば内定を失い、すでに退職を伝えていれば現職での立場も難しくなります。年収を盛ることは、これほど取り返しのつかないリスクを生むのです。

年収を偽る3つのリスク|盛りは「得しない」

年収の水増し申告は、後から発覚することが多いものです。リスクは大きく3つに分かれます。

リスク1:内定取り消し

もっとも多いのがこのパターンです。虚偽申告を理由とした内定取り消しは、裁判例でも企業側が勝訴しています。内定後は現職への退職意思を伝えているケースが多く、「内定は消える・現職にも戻りづらい」というダブルパンチに陥ります。

リスク2:入社後の懲戒解雇トラブル

入社後に源泉徴収票の提出や社会保険の手続きで発覚するケースもあります。この場合は「経歴詐称」として懲戒解雇の対象となりえます。懲戒解雇歴は次の転職にも響きます。

リスク3:信頼の失墜

たとえバレなくても、盛った年収を起点にオファーが設計されると、入社後の期待値だけが高くなり、実力とのギャップに苦しみます。そして何より、年収を盛る発想は「バレる手段が年々増えている」現実と相性が悪い。発覚経路は主に次の3つです。

  • 源泉徴収票の提出要求|内定後に前職の源泉徴収票を求められると、前年の年収が記載されているため水増し額が即バレします
  • 社会保険の標準報酬月額|転職時の社会保険手続きで、前職の報酬額が確認できる場合があります
  • バックグラウンドチェック|外資系では一般的で、国内企業でも実施する会社があります。前職への年収照会が行われます

正直に言いながら高く交渉する技術|スクリプト付き

ここが本題です。「正直に伝える」と「安く買い叩かれる」はイコールではありません。現職年収を正直に開示しても、伝え方次第で高い年収を引き出せます。

技術1:現職年収は「総支給+見込み」で伝える

多くの人が損をするのが、基本給ベースだけで答えてしまうことです。年収は残業代・賞与・各種手当を含めた総支給額で伝えるのが正解。嘘ではなく、正しく足し合わせるだけで印象が変わります。

スクリプト例:
「現職の年収は基本給ベースで約410万円ですが、賞与・残業代・住宅手当を含めた総支給では約450万円です。今期は業績賞与の上乗せも見込まれています」

技術2:希望年収は「幅」で伝える

現職年収を正直に言ったうえで、希望は現職より高い水準を明確に提示します。ピンポイントより「幅」で伝えるのが交渉テクニックです。

スクリプト例:
「現職は450万円ですが、業務範囲の拡大とスキル向上を前提に、希望としては550〜600万円のレンジで考えております。御社の評価制度に沿った形でご相談させてください」

下限を550万円に置くことで、交渉のスタートラインが上がります。現職年収がオファーの起点になる構造を、希望年収で上書きするイメージです。

技術3:年収より「根拠」で語る

年収を上げたいなら、金額そのものより「なぜその年収に値するか」を語ること。実績・数値・再現性を示せば、企業は現職年収を気にしなくなります。

スクリプト例:
「前職では担当領域の売上を前年比130%に伸ばしました。同様の成果を御社でも再現できると考えており、その貢献を前提に600万円のレンジでご相談したいです」

エージェントへの伝え方|CA目線の言い回し

エージェントの収益は「採用者年収の約30〜35%の成功報酬」が一般的です。つまりエージェントは、あなたの年収が高いほど得をする——ここを味方につけましょう。

ただし注意点があります。現職年収を正直に伝えるのは大前提ですが、希望年収を低く言いすぎると「その水準の求人しか紹介されない天井」ができてしまうのです。

CAに響く伝え方

  • 現職年収は正直に、希望年収は強気に「現職は450万円ですが、キャリアアップを目的とした転職なので600万円以上を狙いたいです。難しい求人でも挑戦したいので、上振れする案件を優先的に紹介してください」
  • 年収を上げる理由を共有するCAは「上げたい理由」に納得すれば全力で交渉してくれます。市場価値・実績を具体的に伝えましょう
  • 複数エージェントを併用する1社の提示水準に縛られないため、2〜3社に登録して比較するのが定石です

Q&A|転職の現年収に関するよくある疑問

Q1. 現職年収を少しだけ水増しするのはOK?

NGです。「10万円程度なら」と考える人もいますが、源泉徴収票で1円単位まで判明します。少額でも「虚偽申告」であることに変わりはなく、発覚時のリスクは同じ。総支給額で正しく高く見せる方法を使いましょう。

Q2. 年収を盛っても本当にバレる?

バレる可能性は年々高まっています。源泉徴収票の提出、社会保険手続き、バックグラウンドチェックと発覚経路は複数あり、特に外資系・金融・大手企業では在職確認が徹底されています。「バレなければいい」という前提自体が危険です。

Q3. 現職年収が低くても転職で年収を上げられる?

十分に可能です。現職年収が低くても、希望年収を幅で提示し、実績と再現性を根拠に語れば年収アップは実現できます。むしろ「正直に低い年収を伝えたうえで高い希望を出す」候補者は、企業から誠実で自信のある人材と評価されます。低年収を隠すより、堂々と交渉する姿勢が結果的に得をします。

まとめ|現年収は正直に、年収は戦略で上げる

転職において現職年収は正直に伝えるのが唯一の正解です。盛るリスク(内定取り消し・懲戒解雇・信頼失墜)に対して、得られるメリットはほぼありません。

大切なのは、正直に伝えながらも次の3つを実践することです。

  • 現職年収は総支給額で正しく高く見せる
  • 希望年収は幅で強気に提示する
  • 金額より「値する根拠」を語る

そして、この交渉を最も有利に進めてくれるのが転職エージェントです。あなたの年収が上がれば彼らも得をする——この構造を味方につけて、正直かつ戦略的に年収アップを実現してください。

📌 この記事のまとめ

  • 現職年収は源泉徴収票で必ずバレる。嘘はリスクが大きすぎる
  • 正直に伝えた上で「希望年収」で戦うのが正解
  • エージェントには最低希望年収まで正直に伝えると交渉を代行してもらえる

年収交渉を任せられるエージェント2選

年収交渉は、自分で切り出すよりエージェント経由の方が角が立たず、相場に沿った金額を提示できます。前職の給与を正直に伝えたうえで交渉してくれる3つです。

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